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第20話 チェーンオペレーションにおける個店戦略②

 2019/01/20

STEP5 地域のお客様に迫る②

 さて、今回からは個店戦略がテーマです。チェーン展開を行う小売業にとって、店ごとに抱える地域特性を掴み、提供する商品サービスにおいて独自対応をとる事で、お客様の期待に応えていく事は非常に重要な要素です。一方で前回お話をしたように、その実行難易度が高まり、多くはノウハウとして確立していない状況にあります。かくいう私も店舗にいた際は、開店時調査の資料等は見た事はあるものの、あくまで調査結果であり、そのノウハウについて教育や伝承を受けた事はありませんでした。

 

 こういった現状から、店長養成研修やBY育成研修といったコースでも必ず取り入れているのがエリアマーケティングに基づく個店戦略の立案です。 

 実際の店舗で多く行われているのは、品揃え調査による欠落アイテムの補完や、価格調査によるプライス対応などがあげられるでしょう。こいった戦術面(どのように戦うか)については個々の担当領域ごとの対応がなされますが、戦略面(どこで戦うか)という点については論じられていないケースが多くなっています。

 その原因として、かつてモノが不足した売手市場時代は、同業態(食品スーパー同士、GMS同士など)の中で地域1番店になる事が重要でした。そして1番でいる事ができる商圏範囲をいかに広く保つかという事が重要であった為、包括的な品揃えをしていく事が重要な要素でした。こういった意味で欠落やプライスに気を配る事がポイントでした。当時の大店法による規制で店舗面積が一定程度に制限されていたこともあり、品揃えを行う為の面積が限られていた為、同一業態同士の戦いとなりやすかったこともあり、極端な言い方をすれば、そこまで複雑な状況ではありませんでした。

 大店立地法が施工された後、店舗の大型化や出店増によるオーバーストア現象となり、激しく状況が変わっていきました。競合店が増加する事により、各店とも商圏範囲が狭まっていった結果、限られた商圏面積において売上を高める必要が高まり、結果としてこれまで取り扱いのなかった商品ジャンルの品揃えを拡充しています。ドラックストアで食品の扱いが拡大されたり、コンビニで生鮮食品を扱うようになったり…という状況です。

 その結果として、お客様は自身の活動エリアの中であらゆる業態、店舗の中からその時々の状況にあわせて都合の良い店舗を選んで使う事ができるようになっています。お客様により多くお店を活用してもらおうとするならば、お店の使い分けの中で、どのように自店を使ってもらうと良いのか(お客様に都合が良いのか)をわかりやすく伝えていく事が重要になります。「あの店って●●がいいよね。■■な時はついついあの店で買い物をしてるな。」というイメージです。 

 その為、どのような店なのか、他の店と比較しどこが優れているのかを意図的に作り込み、よりわかりやすく表現しなければなりません。その為、個店戦略を立案し、店内活動において意識的に表現をしていく事が重要となるのです。 

 では、個店戦略をたてる為には、具体的にどのようなアクションを起こしていけばよいのでしょうか。戦略フレームは様々なものがありますが、初めに実施するという意味では「3C分析」をお勧めします。有名はフレームワークである為、ご存知の方も多いと思います。分析項目は以下の3つに分かれます。「①Customer=顧客、②Competitor=競合、③Company=自社」です。

 ①では商圏内のお客様を客観的に分析します。全ての人(住民)と実際に店舗を活用してくれている顧客を分析し、そのギャップを炙り出しておくことが重要です。支持層と非支持層の違いを図る事で自社がどのように解釈されているのか仮説をたてる為の要素の一つとなります。 

 ②では競合を、③で自社を分析し相互に客観視し、そのギャップを炙り出します。①であげたお客様にとって、競合と自社がどのような商品サービスを提供しているのかを分析し、勝ちたいポイントで優位性を保てているかどうかを考えていきます。

 勝てる状況になっていなければ、勝つポイントを設計する必要がありますし、勝つポイントが狙い通りになっているのであれば、次はそれがお客様にしっかりと伝わっているかを考えていきます。この次の段階では、目指す勝ち方が正しい(お客様にとって魅力的か、市場サイズとして適正なサイズか)かどうかを考えていく必要があるわけですが、まずは現状の施策がお客様に正しく伝わっていなければ良いか悪いかも判別する事はできません。

 一方でこんな声も良く伺います。3C分析ならやった事があるけど、良い効果はでなかった…というご意見です。フレームワークを活用する際によく聞くご意見です。有名なSWOT分析などもこういった声をよく聴きます。今回のケースも同様ですが、このフレームワークをやるといいよ…と言われて実行すると、そもそも何の為にやるフレームワークなのかをわからずに実践してしまう為、効果的な分析にならないパターンに陥りやすくなります。

 今回の3C分析の場合は、自分達が勝ちたいポイントで勝つことができているかを検証する事が狙いです。その為、そもそもどう勝ちたいか(どのようなお客様にどのように思われたいか)が不明確な状況では効果は上がりません。逆に分析が上手くいかなければ、そのポイントが不明確であった事があぶりだされます。その場合改めて、この戦略で戦ってはどうかという仮説を立て改めて分析し、勝ちパターンとする事ができるのかを考えていきましょう。

 次回は①②③を分析する際に、どのようなポイントに着目していくかをテーマとしていきます。ここが見えてくると「3C分析」を活用した戦略立案につなげる事ができるようになっていきます。自店舗の場合はどこに着目をすべきか、一緒に考えていきましょう(^^♪

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹(HP https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

学校法人産業能率大学総合研究所 兼任講師

一般社団法人インターナショナルバリューマネジメント協会 理事

一般社団法人日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定ダイバーシティコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士  

店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、

小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。  

その後、管理部門責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。

組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

http://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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