万引き対策等による商品ロスを防止する私服による店内保安警備の専門会社株式会社 日本保安(千葉県千葉市中央区)

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第17話:構成比を使った売場運営③~検証

 2018/08/24

STEP4  3つの構成比で店を操る

 

さて前回は売場構成比の扱い方についてお話を致しました。

売上構成比、在庫構成比と売場面積の構成比のバランスをとり、

店舗全体の生産性を意図的に高めようという取組です。

 

実際に企業様単位の研修では、

一連の考え方をお伝えした後、ケーススタディを経て、

事後課題として実際に受講者様の担当売場で取り組み、

その結果について分析していただき、

次の研修の際にグループワークで共有をしてもたっています。

 

実際にやっていただく事でいくつかの効果が出てきます。

最も多いのが、やってみてバランスを検証する事ができ、

具体的な改善アクションにつながったというタイプです。

考え方の基準を持つことができたので感覚論ではなくなり、

意図して、経営資源(家賃的な性格)である売場を配賦する事が

できるようになっていきます。

 

また、こんな声もでてきます。

これって今回は課題としてやりましたが、

継続しないと意味ないですよね…というものです。

まさにその通りで、一過性で終わらせてしまうと、

店舗に対する効果は瞬間的に終わってしまい、

ほとんど成果はでてきません。

バランス修正をした後、放置してしまうと

その後に生じる変化でまたズレが生じていきます。

逆に継続して取り組む事で常に補正された状況となり

お客様のニーズにも接近していきます。

その結果、いつも欲しいものがしっかりと展開されている

店舗となり、リピート率も高まっていくのです。

そこに気が付いて継続実践していただければ

他のメンバーとの会話も論理的に、また指導力も高まり、

チームの力も向上していきます。

 

積極的なお声を頂戴した際は、

こんな一言も付け加えます。

 

「慣れるまで時間もかかるから、

一気に無理にやろうとせず、

週に●時間だけ費やすといった限定目標を掲げて

少しずつレベルを上げていけばOKだよ。

継続する事がポイントだから頑張って続けてね。」

といった感じです。

徐々に熟練度を高めていく事をお勧めしております。

 

一方で、マイナスの感想としては、

こんなパターンがあります。

自分の担当の売場は定番管理で、

拡縮の対象とならない為、

・どうしていいかわからなかった…

 ・やっても意味がないのでは…

こう言った声があるのも事実です。

 

皆さんはどうお感じになるでしょうか?

短期的な成果という意味では、

そういった性格の売場があるのは事実です。

きめ細かく週単位で対応する事や、

大きな拡縮がないケースも存在します。

一方でこう言った売場は、

シーズン単位での商品入れ替えの際も、

大型、標準型、小型といった売場の規模や、

売上が高い~低いといった条件で

品揃えが決まっているケースも多く、

最適化にむけたアクションが

起きていない場面も見受けられます。

定番管理だからこそ、シーズン単位で

どのカテゴリーを拡縮するかまで

検討して欲しいものですが、

そもそもそういった前提になっていないのです。

 

こういった売場の場合は

構成比のギャップが発生するタイミングがいつで

どのくらい発生しているのかを日々分析し、

四半期単位や、半期単位など中期スパンで、

どのさじ加減が最適かを、

日々の分析の積み上げから判断する必要があります。

つまり「活用方法が異なる」のあって

「意味がない」行為ではない…のです。

 

 

この取り組みを継続する事が、

メンバーの基本マネジメント力を高め、

売場運営を手の平に乗せていく第一歩となります。

 

3年目くらいのメンバーは是非取組をしてみて

いただきたいと思います(^^♪

 

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹(HP https://kyodaisha.com) 株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント 学校法人 産業能率大学総合研究所 兼任講師 一般社団法人 日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定 ダイバーシティコンサルタント 一般社団法人 インターナショナルバリューマネジメント協会 理事

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士  店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。  その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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第16話:構成比を使った売場運営②

 2018/08/24

STEP4  3つの構成比で店を操る

 さて、前回に引き続きまして、

構成比を使った売場運営についてお話をしていきます。

まずは売上構成比の使い方を掘り下げていきます。

 

私の場合、売上金額(状況に応じて数量に変更)をベースに

商品分類毎の売上構成比を52週に落とし込む事から分析を始めます。

以前もお話しましたが、売上はお客様の支持のバロメーターである為、

どの時期にどの分類の商品にニーズがあるのかを探る事が狙いです。

もちろん過去データである事はわかっていますので、

その分析にも最終的には一工夫しています。

 

さてこれをやると何がわかるのかというと、

いくつかのポイントがあります。

 

■売れる商品が切り替わった時期が読み取れる

 例1:前年実績で●週目までは、A分類がトップだったが、

    ▲週目にB分類がトップに入れ替わった。

 例2:●週目まで売れていた商品群が、

▲週目以降まったく売れなくなった。

 →大きな変化が発生するポイントを掴む事で、

  売場展開を変更する必要がある時期と、

  どの程度切り替えていくかの仮説を組む事ができるようになる。

 

■売場展開変更のトリガーを読み取る

波動が変化したタイミングで何があったのかを確認し、

今年、どのような状況になったら波動が変わるのか仮説をたてる。

例1:気温が3日連続でおおよそ●度を超えたら売れ行きが変わる

例2:梅雨明けと同時に売れ行きが変わる・初雪と同時に売れ行きが変わる

例3:ある一定の日付で売れ行きが変わる(母の日が終わると…)

 例4:おおよそ●月の頭に、●●会館でイベントがある

 →同じタイミングで変化するものとそうでないものを区分し、

  条件が整ったら次の売場展開に変更できるよう事前にスタッフと打ち合わせする

 

■OTB(Open to Buy)計画に反映させる

 導入期は●週、上昇期が●週ころ、ピークは●週まで、

その後●までに処分する…といった

アイテム別の販売計画立案の仮説につなげ、

在庫コントロールと連動させる事で、

ピーク売り上げの最大化と

値下、廃棄ロスの削減につなげる

 

他にもいろいろありますが、

まず漏らさずやるのはこの3つです。

店舗に所属する人数の絶対数が限られる中、

お客様のニーズにタイムリーに応える売場展開を維持していくためには、

効率的かつ具体的にコミュニケーションを行い、

切り替えのタイミングが来たならば、

指示者が休みであってもスムーズに切り替え作業ができるように

準備を整える必要があります。

 

ひと昔前ならば、「経験と勘」で対応するという事も

ありだったのではないでしょうか。

私の捉え方としては「経験と勘」というのは、

一定程度の熟練をもって、暗黙知を習得したと解釈しています。

説明できないだけで蓄積したノウハウをもって

業務に対応しているという状況です。

 

1人あたりの担当面積が狭く、

充分な人数がいたから成り立った…

という状況だったのではないでしょうか?

今の時代にこの方法を続けていたら、

キャリアの異なるメンバーが、

触れ合う機会がすくない為、伝承が行き渡らず、

お客様のニーズに応えきれない状況が発生し、

支持を打ちなってしまう事でしょう。

 

根拠となる過去データを基に、今年の状況を鑑みると、

  • ●のような仮説が立つので、●●な状況になったら、

速やかにAパターンからBパターンに売場を切り替える

と事前にメンバー同士できめておけば、

その時がきたら速やかに対応できます。

また、更に加えたい情報、条件があれば

メンバーからも提言がしやすくなります。

 

いかがでしょうか?

販売員さん向けの研修でもお伝えしますが、

若手社員さんだと初めてやった…という方も結構多い状況です。

是非一度お試しくださいませ(^^♪

 

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹(HP https://kyodaisha.com) 株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント 学校法人 産業能率大学総合研究所 兼任講師 一般社団法人 日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定 ダイバーシティコンサルタント 一般社団法人 インターナショナルバリューマネジメント協会 理事

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士  店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。  その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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