店舗お役立ち情報

第5話「削減する事で、お客様に全く悪影響を与えないコスト」

 2017/05/11

 前回は、「削減して良い経費」と「削減してはいけない経費」についてお伝えしました。経費削減を行う中で、小売業として本来お客様へ提供したい「商品、サービス」の質を低下させてしまうアクションには注意が必要です。例えば水道光熱費を抑えたいがあまり、「売場の照明の照度を落とす」、あるいは「照明(電球)を間引きする」といった行為は、お客様の心地よいお買い物を妨げ、ますます業績の悪化させてしまうバッドスパイラルに陥る原因にもなりかねません。

 

 そうはいっても、利益性を高める為の取組は必須である事は間違いありません。お客様に対しマイナス要因を作らず、アプローチする為にはどのような取り組みが効果的なのかを考える事が重要になります。

 その論点の一つとなるのが、「商品ロス」です。お店の利益創出を考えると、「地味」ではありますが、大きな影響を与えるコストです。損失と言った方が正確ですが、利益を改善するアプローチという意味ではコストと捉える事ができます。会計的にいえば、棚卸減耗損がその一部です。

 何故「商品ロス」に着目するか…。それは百害あって一利なしの要素だからです。やり方を間違えなければ、このコストを削減する事でお客様に悪影響を及ぼす要素はありません。

 

 では「商品ロス」についてもう少し詳しく説明をしていきます。商品ロスを分類すると、大きく3つの要素に分かれます。

 一つ目は「外部ロス」、いわゆる万引きです。外部の人間による商品ロスを指しています。近年の傾向としては、人口統計の変化の影響もあってか、~10代の若者の検挙が減少傾向にあり、高齢者の検挙が増加しているのが特徴です。またWEBによる商品売買により、素人さんでも換金できるようになった為、転売目的も増加しています。高額な商品を大量に持ち出す窃盗団も存在します。

 2つ目は内部ロスです。これは店内、つまり従業員による商品ロスです。店内ルールが緩い為におこる悪気のないものから、レジ打ち担当者と共謀した篭脱け(10点の内、3点しかスキャンしないといった類)、商品を大量に横流しする行為まで様々です。

 3つ目は管理ミスです。いわゆる「間違えちゃった」というパターンです。レジでの操作ミスや商品のカウントミスなどがあげられます。

 これらは店舗にとって害以外の何物でもなく、精度の高いマネジメントを行う事でお客様への悪影響は全くおこらない、まさに撲滅したいコストです。

 

 しかし、棚卸の前後でしか着目されない傾向が強く、日々の取組に落とし込まれていないケースが多いのが実態でしょう。よりたくさんの商品を販売して、お客様に喜んでもらいたいと考えるあまり、つい後回しになりがちです。

 一方で、商品ロス対策が進んでいるアメリカではこんな考え方が広まりつつあります。「商品ロスを放置するという事は、そのコストを優良顧客に負担させている事と同じ行為であり、店舗側の怠慢である」というスタンスです。商品ロス率が高い企業は投資家からも厳しい評価を受けます。利益性を考えた時にそのくらい大きな影響があるという事です。

 

次回は、実際に商品ロスが利益に与える影響が、数値的にどのくらいあるのかを考えていきます。

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹   (https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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■執筆者 プロフィール ~ 専田 政樹

 2017/04/10

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹
             (HP https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 営業本部直轄店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

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【 経歴 】

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士

 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍。小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当する。

 異なる専門領域をもつ専門家のるつぼと化した職場で、個々の力を引出し、相乗効果を高め組織を活性化させるインクルージョン型のマネジメント術のノウハウを構築する。

 また、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%の企業で、問題点解決手法を形式化し、改善施策の実行につなげ、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに明るい未来豊かな社会を託す」事を志に独立。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事等の各種制度構築、業務改善支援、研修等による人材育成などを事業領域として活動中。

 

【 活動実績・業務実績 】

 ■執筆
  ・株式会社 商業界 食品商業
    2017年5月号
     あなたの店は大丈夫?離職を防ぐコミュニケーション法
     世代タイプ別チームを円滑にするOK・NGコミュニケーション 
  ・株式会社 リクルートライフスタイル エアレジマガジン
    小売業の「商品ロス」とは?対策を考え、勝ち残るお店を作ろう
      →https://airregi.jp/magazine/guide/2335/
    アパレルで開業するときに大切な「コンセプト」を考える4ステップ
      →https://airregi.jp/magazine/guide/2302/
  ・中小企業診断士登録養成課程解体新書(共著)
  ・ダイバーシティ・コンサルタント養成講座テキスト(共著)

 ■人財育成・研修・セミナー等
  ・企業の階層別研修
    新入社員研修・リーダー管理職研修など
  ・農協様 農産物直売所店長・店舗スタッフ様向け
    店舗の防犯体制構築研修
  ・自治体等シティプロモーション協議会
    農産物直売所の売上アップの為の人材活性化術
  ・駅ビル様専門店会主催セミナー
    店舗の万引予防体制強化策
  ・ダイバーシティ・コンサルタント養成講座 講師
    日本における働き方の変遷・ダイバーシティ導入手順・企業分析等
  ・(一社)IVMA主催 経営者向けセミナー
    勝ち残る為の組織運営 既存人材活性化法
  ・中小企業診断士1次試験 中小企業経営政策講師
     他多数

 ■行政系実績
  ・横浜市女性活躍推進事業派遣専門家
  ・中野区産業振興会館主催経営者むけセミナー講師

 ■コンサルティング実績例
  ・サービス業 顧問(組織人事制度構築、業務改善、人材育成支援)
  ・卸小売企業 組織人事コンサルティングおよび人材育成
  ・エステサロン商品棚卸コンサルティング  
  ・ヘアサロン店 開業時戦略立案コンサルティング
  ・服飾品製造業 商品開発用消費者調査支援
  ・中華料理店 開業戦略コンサルティング
  ・検定事業を行う一般社団法人 事務局業務効率化コンサルティング
    他多数

 ■所属・公職等
 ・株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役
 ・学校法人 産業能率大学総合研究所 兼任講師
 ・一般社団法人 インターナショナルバリューマネジメント協会 理事
       ダイバーシティ分野主任講師
 ・一般社団法人 日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構
       認定ダイバーシティ・コンサルタント
 ・東京都大田区ビジネスサポート派遣専門家